店名や商品名の筆文字は、筆文字の専門家へ
「デザイン会社におまかせ」では得られない価値
店舗デザインにおける店名や、商品パッケージの商品名は、その店舗や商品の顔とも言える重要な要素です。これらの要素に筆文字を用いることは、伝統と現代性の融合や、独自性の表現として非常に効果的です。
筆文字を店舗デザインやパッケージデザインに取り入れる際には、デザイン会社に全てを任せるのではなく、自分自身でその道のプロフェッショナルである書家を選び、筆文字を依頼することが推奨されます。
なぜなら、書家は文字を通じて店舗や商品の魅力を最大限に引き出すことができるからです。筆文字には、書かれる文字それぞれに魂が宿るとも言われ、その線の一つ一つに書家の情熱や思いが込められます。熟練の書家は、文字の形、太さの変化、線の動く速度の変化といった細部に至るまで、緻密な計算と感性で作品を創り出します。
また、書家に筆文字を依頼することで、店舗や商品のコンセプトや理念をより効果的に訴求する文字の姿にすることが可能になり、店舗や商品の価値を高めます。これは、デザイン会社などに「おまかせ」で依頼した場合には得られない価値と言えるでしょう。
デザイン会社に在籍する筆文字の得意な方や、制作会社の外注した筆文字作家さんにお任せしても、あなたの満足のいく筆文字を提供してくれるかどうかはわかりません。技量も個性も千差万別だからです。
さらに、筆文字を手がける書家を自ら選ぶことで、細部にわたる要望を高い技術力で反映させることができます。これにより、最終的には自分自身が納得のいく、世界に一つだけのデザインが完成するのです。
筆文字を用いた店舗デザインや商品パッケージは、ただ目を引くだけでなく、店舗や商品の個性を際立たせ、顧客に強い印象を残します。それは、書家の手による一筆入魂の作品が、人々の心に訴えかけるからです。ですから、店舗デザインにおける筆文字の使用を検討する際には、ぜひ書家へ依頼することをおすすめします。
書家の得意分野は、人によって異なる
ただし、書家であれば誰でも店名や商品名の筆文字を書くことを得意としているわけではありませんので、そこは留意が必要です。例えば、展覧会向けに迫力のある巨大な文字を豪快に墨液を散らしたりカスレさせたりして書くことを得意とする書家もいれば、掛け軸で床の間に飾るような作品を得意とする書家もいます。あくまでも店名や商品名を書くことを得意としている書家を選ぶことがポイントとなります。
まとめ
まずは筆文字の部分は、筆文字の専門家(看板や商品パッケージの筆文字を専門とする書家)を自分の好みに基づいてじっくり選んで筆書きの依頼し、筆文字の画像ファイルを入手します。その上で、それ以外の部分の専門家(制作会社・看板屋・包材屋・デザイナーなど)へ、その筆文字画像ファイルを渡して依頼すれば、納得のいく結果が得られるでしょう。店名や商品名は永く飽きの来ない、魅力的な筆文字でなくてはならないので、しっかりと自ら書き手を見定め、詳細な希望を伝えて墨書してもらうことが大切です。